中分類 99:分類不能の産業
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中分類の概要 #
分類不能の産業は、日本標準産業分類のいずれの大分類・中分類にも属さない事業で、具体的には、
・産業分類の枠組みが適用しにくい特殊な事業
・新興産業で既存分類に該当しない事業
・複数の産業にまたがり、どれにも明確に位置づけられない事業
が該当します。 分類上の「その他」的な位置づけであり、将来の新しい中分類に発展する可能性がある産業の受け皿 でもあります。
補助金採択実績の傾向 #
他の関連補助金や助成金の結果から採択されやすい事業の特徴や傾向を掴みましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
事業再構築補助金(2025年3月公募終了) #
この中分類に属する新規事業の採択数は、採択総数 9259件(第10~13回)中、20件で、全体に占める割合は 0.22%(※当社調べ)ほど。
- 統計上の件数は少ないが、新規性や独自性が高い事業モデル が多いため、補助金との相性は悪くない。
- 特に「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」などは、分類不能事業でも採択されるケースがある。
- 定義が曖昧な分、審査時に理解されにくい ため、事業の位置づけや意義を明確に説明することが重要。
成長性と市場動向 #
新事業進出補助金は、「新事業進出要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高要件)」や「付加価値額要件」、「賃上げ要件」などの条件を満たさなければなりません。新規事業で取り組む分野の成長性と市場動向は、はじめにしっかり把握しておく必要性があります。
- 新規産業(例:メタバース、生成AI、宇宙ビジネス、カーボンリサイクルなど)が当初は「分類不能」に位置づけられることがある。
- 産業構造の転換期には、「分類不能」分野が拡大し、将来的に正式な産業分類として整理される。
- 既存の産業に収まらないビジネスは、しばしば ブルーオーシャン市場 となり得る。
採択事例・典型パターン #
新事業進出補助金では、補助事業で取り組む新規事業の「新市場性」及び「高付加価値性」を事業計画書で明確に示さなければなりません。 先代制度である事業再構築補助金(2025年3月公募終了)の採択事例やパターンを参考に対策しましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
- 先端技術(AI、ロボティクス、XRなど)を活用した新規事業
- 複数産業を横断するサービス(例:観光×教育×エンタメ)
- 既存産業に当てはまらない新たなプラットフォームサービス
- 社会実験的要素を含む事業(例:地域通貨、シェアリングの新形態)
不採択になりやすい要因 #
- 「何の産業か」が伝わらず、審査側が理解できない計画
- 新規性はあるが、収益モデルが不明確
- 社会的ニーズや市場規模を示せないケース
公募要領に照らした注意点 #
- 「分類不能」であっても、事業の本質を既存産業の観点から説明する工夫が必要
- 公募要領に定められた目的(新規性、地域性、波及効果など)と合致する点を強調
- 「分類不能=特殊で難解」ではなく、「新規で可能性のある分野」 と整理することが重要
小分類 #
- 小分類 999:分類不能の産業
その他の関連補助金制度 #
- ものづくり補助金(先端技術の試作・開発)
- 小規模事業者持続化補助金(新サービス展開)
- スタートアップ支援型補助金(自治体・NEDO系など)
- 環境・エネルギー関連補助金(新産業に関連する場合)
トレンド技術・キーワード #
- メタバース・Web3
- 生成AI・デジタルツイン
- 宇宙産業(小型衛星、ロケット打ち上げ)
- シェアリングエコノミーの新形態
- 脱炭素・カーボンリサイクル
補助金活用後の成長シナリオ #
- 補助金を活用し試作品や実証事業を実施 → 実績を積み、産業内ポジションを確立
- 新市場開拓型の事業として認知され → 将来的に 新しい産業分類の基盤 となる
- 先行者メリットを活かし、大手企業や自治体との連携機会 を広げられる
まとめ #
中分類 99:分類不能の産業
分類不能の産業は、既存の産業に属さない新しい事業や特殊なサービスを含む、可能性のあるカテゴリー です。
補助金申請においては、分類不能ゆえに「理解されにくい」というリスクがありますが、
新規性・社会的意義・収益性 を明確に示すことで、むしろ採択のチャンスを広げることができます。
参考サイト
- 大分類T-分類不能の産業 説明及び内容例示(PDF)– 総務省:日本標準産業分類(令和5年7月告示)
執筆者プロフィール #

- 補助金サポート事業部 編集長
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【中小企業の成長と資金調達をサポートする現場目線コンサルタント】
大学卒業後、大手IT企業にて経営企画・新規事業開発に従事。 経営コンサルタント会社へ転職後、補助金・助成金を活用した事業再構築や新規事業立ち上げを支援。 これまで各種補助金申請支援実績 200件以上。
セミナー講師、支援事業アドバイザーとしても活動。
【メッセージ】:補助金は「制度を知る」だけでなく「実行計画を描く」ことが成功の鍵。 記事を通して、みなさまが自社の未来を切り拓く一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
【専門分野】:新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金の事業計画書作成、ITシステム導入・業務プロセス改善
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