中分類 04:水産養殖業
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中分類の概要 #
水産養殖業は、海面養殖・内水面養殖を通じて魚介類・海藻類などを人工的に育成・生産する産業。
国内ではマダイ、ハマチ、ブリ、サーモン、カキ、ホタテ、ノリ、ワカメなどが主要対象。
漁業資源の減少や需要の多様化により、持続可能な水産物供給の柱として注目されている。
新事業進出補助金においては、「1次産業(漁業)に取り組む事業 」は補助対象外事業となり、不採択又は交付決定取消となりますので注意が必要です。
補助金採択実績の傾向 #
他の関連補助金や助成金の結果から採択されやすい事業の特徴や傾向を掴みましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
事業再構築補助金(2025年3月公募終了) #
この中分類に属する新規事業の採択数は、採択総数 9259件(第10~13回)中、1件で、全体に占める割合は 0.01%(※当社調べ)ほど。
- 高付加価値加工や直販強化
- 海外輸出向け養殖事業
- SDGsやESG投資の文脈で「環境配慮型養殖」「陸上養殖」関連は評価されやすい。
- 給餌や水質管理の自動化ソリューションの導入事例
成長性と市場動向 #
新事業進出補助金は、「新事業進出要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高要件)」や「付加価値額要件」、「賃上げ要件」などの条件を満たさなければなりません。新規事業で取り組む分野の成長性と市場動向は、はじめにしっかり把握しておく必要性があります。
- 拡大要因
- 天然漁獲量の減少
- 国内外の魚食需要
- 海外輸出拡大
- 縮小要因
- エサ価格・燃油高騰
- 海洋環境の変動(赤潮など)
- 方向性
- 陸上養殖や循環型養殖
- ICT・AI活用
- 海外市場開拓(特にアジア)
採択事例・典型パターン #
新事業進出補助金では、補助事業で取り組む新規事業の「新市場性」及び「高付加価値性」を事業計画書で明確に示さなければなりません。 先代制度である事業再構築補助金(2025年3月公募終了)の採択事例やパターンを参考に対策しましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
- 既存事業モデル
- 海面養殖(ブリ・マダイ・サーモンなど) → 仲買・市場経由で販売
- 貝類・海藻の養殖 → 加工食品や飲食店へ出荷
- 新規事業モデル(補助金対象になりやすい)
- 陸上養殖システム導入(サーモン・エビ等)
- 養殖魚のブランド化(地域ブランド魚の構築)
- 養殖魚を使った加工食品・EC直販事業
- 観光資源化(養殖体験ツアー、レストラン併設)
- 必要な許認可・資格
- 養殖業を営むための「漁業権」(都道府県知事の免許)
- 養殖場の設置に関する環境規制(環境アセスメント対象の場合あり)
- 食品加工 → 食品衛生責任者、営業許可
- 陸上施設 → 建築確認や排水基準への適合が必要
不採択になりやすい要因 #
- 「養殖規模拡大」だけで新規性が乏しい計画
- 養殖リスク(赤潮・疾病・台風被害)への対策が示されていない
- 許認可(漁業権・排水基準)への言及不足
- 単に「販売量拡大」を狙うだけで、加工やブランド化につながらないケース
公募要領に照らした注意点 #
- 「新分野展開」や「業態転換」に該当するよう、養殖+加工・販売+ICT導入をセットにすると評価されやすい。
- 事業の実現可能性を裏付けるため、環境規制や漁業権の取得状況を計画書に明示することが重要。
- 市場調査(国内外の需要や価格動向)の記載が必須。
小分類 #
- 小分類 040:管理,補助的経済活動を行う事業所(04水産養殖業)
- 小分類 041:海面養殖業
- 小分類 042:内水面養殖業
その他の関連補助金制度 #
- 水産業強化総合対策事業
- 農林水産省 スマート養殖推進事業
- 輸出拡大実証事業(農林水産物・食品輸出支援)
- 地域6次産業化推進補助金(養殖+加工+販売モデル)
トレンド技術・キーワード #
- 陸上養殖(閉鎖循環型システム)
- スマート養殖(IoT水質管理・AI給餌)
- サステナブル認証(ASC認証など)
- 海外輸出(特にアジア向け養殖サーモン・エビ)
補助金活用後の成長シナリオ #
- 陸上養殖設備導入により安定供給 → 高級飲食店・輸出市場へ展開
- 養殖魚を使ったブランド商品(加工食品・惣菜・冷凍食品)の開発
- 養殖場を観光拠点化し、地域経済との連携を強化
- ICT導入で生産効率向上とコスト削減を両立
まとめ #
中分類 04:水産養殖業
水産養殖業は、資源管理型の持続可能な水産業を実現する重要産業であり、補助金活用の対象としても注目度が高い。
特に 「陸上養殖」「スマート養殖」「ブランド化」「輸出」 は補助金のテーマと親和性が高く、実現可能性を裏付ける許認可・規制対応を計画に盛り込むことが採択の鍵となる。
参考サイト
- 大分類B-漁業 説明及び内容例示(PDF)– 総務省:日本標準産業分類(令和5年7月告示)
執筆者プロフィール #

- 補助金サポート事業部 編集長
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【中小企業の成長と資金調達をサポートする現場目線コンサルタント】
大学卒業後、大手IT企業にて経営企画・新規事業開発に従事。 経営コンサルタント会社へ転職後、補助金・助成金を活用した事業再構築や新規事業立ち上げを支援。 これまで各種補助金申請支援実績 200件以上。
セミナー講師、支援事業アドバイザーとしても活動。
【メッセージ】:補助金は「制度を知る」だけでなく「実行計画を描く」ことが成功の鍵。 記事を通して、みなさまが自社の未来を切り拓く一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
【専門分野】:新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金の事業計画書作成、ITシステム導入・業務プロセス改善
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