中分類 61:無店舗小売業
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中分類の概要 #
無店舗小売業は、実店舗を持たず通信販売・訪問販売・ネット販売・自動販売機などを通じて商品を提供する業態 を指します。
近年では特に EC(電子商取引)やD2Cモデル の拡大が著しく、個人事業から大規模プラットフォームまで多様な形態があります。
小規模事業者にとっても参入しやすく、補助金を活用した新規参入やシステム導入が盛んな分野 です。
補助金採択実績の傾向 #
他の関連補助金や助成金の結果から採択されやすい事業の特徴や傾向を掴みましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
事業再構築補助金(2025年3月公募終了) #
この中分類に属する新規事業の採択数は、採択総数 9259件(第10~13回)中、59件で、全体に占める割合は 0.64%(※当社調べ)ほど。
- 実店舗主体の小売から EC専業モデルへの転換
- D2Cブランド立ち上げ(アパレル、化粧品、食品)
その他の関連補助金や助成金 #
- 小規模事業者持続化補助金
- ネットショップ開設、SNS広告運用、SEO対策
- 地域特産品の通販化・海外販売
- IT導入補助金
- ECサイト構築、予約・決済システム導入
- 顧客管理(CRM)、在庫管理システムの導入
成長性と市場動向 #
新事業進出補助金は、「新事業進出要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高要件)」や「付加価値額要件」、「賃上げ要件」などの条件を満たさなければなりません。新規事業で取り組む分野の成長性と市場動向は、はじめにしっかり把握しておく必要性があります。
- 日本国内の BtoC-EC市場は年々拡大(食品・アパレル・日用品が牽引)
- 越境EC市場も成長中(アニメ・化粧品・伝統工芸品が人気)
- コロナ禍以降、非接触型購買行動の定着 により安定した需要
- 今後は サブスク型EC、ライブコマース、AIパーソナライズ提案 など新モデルが普及
採択事例・典型パターン #
新事業進出補助金では、補助事業で取り組む新規事業の「新市場性」及び「高付加価値性」を事業計画書で明確に示さなければなりません。 先代制度である事業再構築補助金(2025年3月公募終了)の採択事例やパターンを参考に対策しましょう。
※新事業進出補助金の採択実績は、第1回採択結果発表後から調査開始予定。
- 地方食品メーカー → 自社EC+越境EC展開
- アパレル小売 → D2Cブランド化+SNSマーケティング
- 健康食品・化粧品 → サブスクECモデル(定期購入)
- 個人作家・クラフト → マーケットプレイス+SNS販売強化
不採択になりやすい要因 #
- 「ネットショップを作るだけ」で新規性がない
- 強み・差別化要素が不明確(競合ECとの差別化不足)
- 販売計画や集客方法が示されず、収益性が弱い
- 許認可が必要な商品(酒類、医薬品、化粧品など)で要件未整備
公募要領に照らした注意点 #
- 公募要領で求められる 「新市場開拓性」「革新性」 を意識する必要あり
- 単なるEC開設では不可 → マーケティング施策・物流体制・海外展開などを含める
- 商品によっては以下の許認可が必要
- 酒類販売業免許(通信販売酒類小売業免許)
- 医薬品・化粧品販売業許可
- 食品衛生関連の営業許可
小分類 #
- 小分類 610:管理,補助的経済活動を行う事業所(61無店舗小売業)
- 小分類 611:通信販売・訪問販売小売業
- 小分類 612:自動販売機による小売業
- 小分類 619:その他の無店舗小売業
その他の関連補助金制度 #
- JAPANブランド育成支援事業(海外販路開拓)
- クールジャパン関連補助金(コンテンツ・越境EC)
- ものづくり補助金(ECプラットフォーム構築・物流効率化)
- 中小企業デジタル化応援隊事業(EC/DX導入支援)
トレンド技術・キーワード #
- D2C(Direct to Consumer)モデル
- サブスク型EC(定期購入・会員制販売)
- ライブコマース(動画配信+販売)
- 越境EC(アジア圏・欧米向け販売)
- AI・データ活用によるパーソナライズマーケティング
補助金活用後の成長シナリオ #
- 自社ECサイト+SNS広告+物流システム を組み合わせた強固な事業基盤へ
- 地域産品をオンライン化 → 全国・海外顧客獲得
- サブスク型モデル導入で 安定収益の確立
- 将来的に 実店舗+オンラインのオムニチャネル展開 へ進化
まとめ #
中分類 61:無店舗小売業
無店舗小売業は、参入障壁が低い一方で競争も激しい分野 です。
補助金を活用する際は、単なる通販サイト開設ではなく、差別化された販売戦略・越境展開・DX化 を組み込むことが重要です。
「小さく始めて、グローバル市場まで伸ばす」成長シナリオが描きやすい業態といえます。
参考サイト
- 大分類I-卸売業、小売業 説明及び内容例示(PDF)– 総務省:日本標準産業分類(令和5年7月告示)
執筆者プロフィール #

- 補助金サポート事業部 編集長
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【中小企業の成長と資金調達をサポートする現場目線コンサルタント】
大学卒業後、大手IT企業にて経営企画・新規事業開発に従事。 経営コンサルタント会社へ転職後、補助金・助成金を活用した事業再構築や新規事業立ち上げを支援。 これまで各種補助金申請支援実績 200件以上。
セミナー講師、支援事業アドバイザーとしても活動。
【メッセージ】:補助金は「制度を知る」だけでなく「実行計画を描く」ことが成功の鍵。 記事を通して、みなさまが自社の未来を切り拓く一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
【専門分野】:新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金の事業計画書作成、ITシステム導入・業務プロセス改善
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